今日はアメリカの医療の複雑さ、特に「州をまたぐ診察の難しさ」についてお話しします。実は先週、わが家でまさにこの問題に直面したばかりなんです。
州外に住む大学生の「処方箋」問題
現在、わが家の子どもは州外の大学に通っています。あと1ヶ月ほどで年度末を迎え自宅に戻ってくるのですが、帰宅後すぐに海外へ行く予定があります。そこで、「今のうちに大学近くの病院で診察を受けて、常備薬を処方してもらおう」と考えました。緊急性はないものの、念のための備えです。
ここで問題になったのが、**「処方箋の更新(リフィル)」のための再診(フォローアップ)**です。 夏休み中ずっと州外(自宅)にいる場合、同じ先生に診てもらうのが物理的に困難になります。
「大学の近くの病院に行くべきか?」 「でも夏休み中はいないし、最初の1ヶ月は海外だし……」
そう悩んでいた時、以前通っていたクリニックのホームページに “Book Video Visit”(オンライン診療) の文字を見つけました。「これならどこにいても診てもらえるのでは?」と期待したのですが……。
「ライセンスの壁」という落とし穴
本人からクリニックに電話で確認してもらったところ、懸念していたことがやはり当たっていました。 **「医師が、患者(子ども)が今いる州の診療ライセンスを持っていないため、州外へ処方箋を送ることができない(=薬を出せない)」**とのこと。
ビデオ通話で顔は見えても、法律やライセンスの壁は越えられない。これでは今診察を受ける意味がありません。アメリカの医療の複雑さを痛感した瞬間でした。
救世主は「テレドック(TeleDoc)」
次なる手として考えたのが、夫の会社の医療保険が提供している 「TeleDoc(オンライン診療サービス)」 です。 これなら全米展開しているし、臨機応変に対応してくれるかも?と思い、アカウントから子供本人に調べてもらいました。
結果、これが大正解!
- オンラインでの診察が可能
- 処方箋はまず大学のある州の薬局へ送ってくれる
- 担当医はその州のライセンス保持者が割り当てられる
幸い、次の診察は3ヶ月後で良いとのこと。これなら夏休みを挟んでもスケジュール的に問題なさそうです。再診の必要性はなさそうなので今回だけで大丈夫そう。
まとめ:大学選びの時には気づかない「医療の盲点」
アメリカの大学生は、州外の大学へ進学し、寮やアパートで自立した生活を送るケースがかなり多いです。しかし、州をまたぐことで以下のようなハードルが生じると今回改めて気が付きました。
- 医師のライセンス問題: オンライン診療でも、医師がその州の免許を持っていないと処方箋が出せない。
- 保険のネットワーク: 保険の種類によっては、居住州以外ではカバーされない(アウト・オブ・ネットワーク)場合がある。その場合は大学が提供する医療保険に加入することになる。
- 通院のタイミング:自宅のある州から州外の大学へ移るとき、または大学州外の自宅に帰るタイミングによっては通院をどのようにするか要注意。
日本なら全国どこでも健康保険証一枚で同じように受診できるので、この不便さはアメリカ特有ですね。ちなみに、大学内のメディカルセンターは風邪などの軽症なら診察無料(薬代は実費)ですが、専門的な治療や長期の処方となると、やはり個人の保険が重要になります。
大学選びの段階で「病気になった時の州外移動の利便性」まで考えるのは難しいですが、あらかじめこうしたケースを予測しておくことは大切だと痛感しました。特に海外留学生の方々は、ビザの手続きに加えて、この複雑な医療システムとも向き合っているのかと思うと、本当に頭が下がります。
もしこれからお子さんが州外の大学へ進学される方は、ぜひ一度「保険の適用範囲」と「オンライン診療の可否」をチェックしておくことをおすすめします!
